新潟大学 研究企画室 –URA–

Vol.3 日比野 浩 教授

Vol.3 2015年12月17日 日比野 浩 教授 大学院医歯学総合研究科 (医学部)

20151217_User_03_Hibino_HP_1 URAが3年に渡り継続的な支援を行い、この度、日本医療研究開発機構の平成27年度革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)「メカノバイオロジー(*1)機構の解明による革新的医療機器及び医療技術の創出」の研究開発代表者として採択された、大学院医歯学総合研究科 日比野 浩(ひびの ひろし) 教授にお話を伺いました。
(*1メカノバイオロジー:力、熱などの物理的刺激を、分子・細胞内小器官・細胞・組織がどのように感知するのか、刺激に対する生体応答や制御機構がどのように働くのかを解明する、物理学・工学・医学・生物学が融合した新しい研究分野。)

日比野 浩 先生の研究テーマ

日比野浩先生は、あまり原因が分かっていない難聴の病因を解明し、新たな治療法を開発するため、生理学的・分子生物学的方法や時には計算科学的方法など、多彩な手法を駆使して内耳蝸牛の基礎研究を行っています。同時に、理工系研究者との協働により、研究に必要なオンリーワンの測定系の開発を進めてきました。AMED-CRESTでは、「内耳による音のナノ振動の受容・応答機構の解明と難聴治療への展開」を課題として、本学工学部の崔森悦助教らと積み重ねてきた医工連携を基盤に、革新的医療技術の創出を目指します。 → 日比野先生 HP

日比野先生写真


日比野先生とURA

長谷川・久間木日比野先生、この度はAMED-CRESTの採択、本当におめでとうございます!本学初のCREST代表誕生という快挙にURAとして関わることができ、大変嬉しく思います。

日比野先生ありがとうございます。URAのサポートはもちろんのこと、超域学術院(*2)の研究プロジェクトとして大学に応援してもらっていたことも、支えになりました。
(*2超域学術院:新潟大学の先端的かつ学際的研究を選定して、大型外部資金獲得に向けた支援を行うと共に、大学全体の研究教育の高度化を図るための組織体制)

長谷川2012年にURA組織が整備され、翌年からの本格稼働でまず着手したのは、その超域学術院の研究プロジェクトリーダーへの支援でした。最初は日比野先生に対し、どのように支援を進めて良いのか迷いながらでしたが、ラボ・カンファレンスに呼んでいただけるようになり、徐々に研究への理解が進むと、自分たちのやるべきことが見えてくるようになりました。

日比野先生ラボ・カンファレンスにお呼びしているのは、本気でグラントを取りに行くには、日頃から研究者とURAがお互いの仕事を理解することが重要だと考えたからです。そして、URAとして能力を発揮してほしいと思いました。また、赴任して間もなかった自分もURAと一緒に仕事することで共に成長したいと感じたのも理由の一つです。実際この3年で、URAはすごく成長したと思いますし、僕も大きな刺激を受けています。

久間木ありがとうございます。特にCRESTに関しては、領域設定の前の段階から情報を整理し、何が求められているのかを徹底的に調べ準備を進めてきましたので、URAから意見を申し上げる時も、日比野先生のご研究と事業内容の両方を考えながら根拠を持って言えるようになったと思います。

日比野先生実際に研究している自分たちでは、どこが分野外の人にとって分かりづらいのかが分からない。(分野外も含めて)審査員に専門的な部分を十分にわかってもらうかがキーポイントなので、その点を指摘してくれるのはとても役立ちます。CRESTのヒアリング審査前に、審査員の専門分野などバックグラウンドを調べてくれていたのも助かりました。

長谷川実は毎回先生の美しい申請書を見るのが楽しみで、学ぶことが多いのですが、改めて、申請書を作成する上で気を付けている点を教えてください。

日比野先生どの申請でも、まず冒頭の概要や目的の部分が重要だというのは、URAのお二人から学んだことです。申請書本体でも、図や文字の強調を効果的に活用し、それらを追っていくだけで、一般の人でも研究の全体像が分かるように工夫しています。あとは、総花的ではダメで、とにかく特徴を出して「尖って書く」ということです。複数のグループをまとめて提案する場合は、その意義とグループ間の連携も明確にしておくことが大事です。


異分野融合研究について

長谷川先生は2010年に本学に着任以来、積極的に医工連携を進められていますね。

日比野先生自分が独立して研究室を持ったら、異分野融合研究を進め、新しい技術論を作りたいという願望がありました。特に内耳の振動はナノレベルであるため、非常に困難ですが重要なので、ぜひやりたいと思っていたことでした。米国でその技術を学んだ任くん(同教室准教授)が帰国した2012年に、本格的にプロジェクトをスタートさせました。学内の工学の先生もシーズ集をもとに自分で見つけ、声を掛けました。探せば輝く人はいるんです。AMED-CRESTの分担をグループヘッドとしてお願いしている工学部の崔 森悦 助教との出会いは本当に素晴らしいものでした。

久間木異分野連携を進めたいという研究者は多く、URAもグループ作りを支援していきたいと考えているのですが、大事な点など教えてください。

日比野先生研究者とURAとの関わりと同じですよ。お互いの研究内容をどのように理解してもらうか、理解のための共通言語をどのように探すか、お互いにどう詰め寄るかが大事です。100%の理解は難しくても、互いにフィードバックしながら進めて行くようにしています。異分野連携はかなり粘りが必要で、本当にそこに身を置いている経験者でないと、分からない苦労があります。

久間木共通言語ですね…URAは様々な分野の申請書を読んでいるので、どういった点でお役に立てるか具体的に考えてみます。

日比野先生もう1点大事なポイントがあります。当然ながら研究を進めるためには資金が必要です。そこで、助成金などで少しでも資金を得て、それを異分野の研究者に役立ててもらいます。設備投資をして基礎技術を作ってもらい論文を出します。それが将来大型資金を狙う基盤になる。僕らもここまで来るのにとにかく助成金をがんばりました。任くんは、本当にがんばりました(笑)。

長谷川今回のCREST採択は、正にそういった積み重ねが実を結んだのですね。

日比野先生見せかけの共同研究はすぐに見破られるので、実際に走らせないとダメです。科研もそうですけど、実績ベース、つまり論文が出ていないと話になりません。そして、医工連携全般で言えますが、工学系が自分たちの技術ありきでニーズを探すのでは、結果として良いものができません。一方で、医学系が最初から完成品を求めることも良くない傾向です。例えば、ある器官のこういう部分、こんな現象を観察したいというニーズが先にあり、お互いが共通意識を持って一緒に作っていくことが重要です。医工連携が進んでいる大学では、そういった流れになっていると聞きます。

長谷川重要なご意見として、早速関係者と課題を共有します。


URAに期待すること

久間木最後に、今後URAに期待することを教えてください。

日比野先生今回のCRESTで着実に成果を出して行くことが当面の目標ですが、そこで終わりではなく、次の研究費につなげ、研究を発展させて行くことを前提としています。URAには、ぜひその点でサポートをお願いしたいです。また、いろいろな分野に関わっているので、研究者が思いもつかないような研究アイデアも出てくるのではないでしょうか。研究プロジェクトの企画段階からURAが携わっていくことで、新潟大学URAの色を出して行ってほしいです。あとはやはり、情報をどう取っていくかですね。

長谷川・久間木いずれもチャレンジしがいのあるミッションで、さらに鍛えられそうな予感がします。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

日比野先生写真
AMED-CRESTで活躍する自作測定装置「顕微MS en-face OCT」の前で

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