新潟大学 研究企画室 –URA–

Vol.4 岡崎 桂一 教授

Vol.4 2016年 5月31日 岡崎 桂一 教授 自然科学系 (農学部)

20160627_User_04_Okazaki_HP_2 農林水産省の平成 28 年度「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 (以下、「農食研究事業」という) 」 の「実用技術開発ステージ (育種対応型) 」で申請支援をしました、自然科学系 (農学部) の岡崎 桂一 (おかざき けいいち) 教授にお話を伺いました。

岡崎 桂一 先生の研究テーマ

岡崎先生は、植物育種学の立場から、作物の生理現象を遺伝子レベルで解明する基礎研究と、作物の安定供給と産地の活性化を見据えた応用研究に取り組んでいます。 特に、ユリを用いて、海外の品種と差別化できる画期的な新品種の育成を交雑や遺伝子工学的手法を用いて行っており、このたび農食研究事業において、「無花粉および葉枯病耐性テッポウユリ類の新品種育成」という課題で、研究代表者として採択されました。
 → 岡崎 桂一 先生 HP

岡崎先生写真


農食研究事業について

飯島先生は、ユリを対象に研究をされていますが、どのようなきっかけで始められたのでしょうか。

岡崎先生ユリの研究は、富山県農業技術センターでチューリップとユリの育種の担当として1986年に従事したことがきっかけです。富山県には、生産者がオランダと直接交渉する花き球根組合があるほか、農林水産省のチューリップ育種指定試験地(2011年まで)があったので国研の研究者と交流する機会が多く、現場を重視し、基礎研究も視野に入れた研究活動を行う研究スタイルが身につきました。当時から30年たった今もユリ、チューリップの研究を続けているのですが、自分の研究が人々の生活を彩る花に関係し、花の生産振興や花育(はないく)に繋がることに、やりがいを感じながら日夜研究に励んでいます。

平井ユリの生産現場では、葉枯病などが問題になっていると聞きました。

岡崎先生葉枯病の被害は大きく、鹿児島県の農家は頻繁に農薬を散布するなど、大きな負担になっています。また、消費の現場では、黄色の花粉が白い花弁を汚すことが問題になっています。そこで、今回の農食研究事業では、「無花粉および葉枯病耐性テッポウユリ類の新品種育成」の課題で、鹿児島県、秋田県と共同で付加価値の高いユリの品種を育成します。農食研究事業の育種対応型という公募項目で、新潟大学の基盤的な育種技術、鹿児島県・秋田県が持つ現場での育種事業に、生産・流通を担う花き卸売市場の株式会社 なにわ花いちばなどが連携する、育種・生産・流通の3つを組合せた課題になっています。このチームで、育種、栽培、流通面から強力に課題を実施し、ユリの新品種を育成することで、国産ユリの生産・消費の拡大を目指します。


研究資金の獲得と研究内容について

平井先生は、科研費では基盤研究Bの研究代表者をしておられますが、科研費とその他の研究資金をどのように使い分けていますか。

岡崎先生基礎研究は科研費、応用研究は農林水産省や科学技術振興機構(JST)の研究資金という、二本立てで研究を進めています。交雑育種には、植物を開花させる必要がありますが、アブラナ科作物のキャベツは、春化要求性といって数か月低温に遭遇しないと花を形成しません。科研費では、基礎研究として開花期決定遺伝子の解析を行い、春化要求性の植物の花成誘導メカニズムの解明に取り組んでいます。

平井春化は、エピジェネティックな現象として注目されています。フィールドとの繋がりを持ちつつ、学術的に興味深い現象のメカニズムを解明できるのは、農学の醍醐味と言えるのではないでしょうか。


URAに対する期待

飯島最後に、URAに対する期待を教えてください。

岡崎先生自分で論文を書いていると、説明を省き自分だけでわかったつもりになったり、くどくどと冗長な文書が多くなるのですが、同僚やピアレビューアーの指摘の結果、論理的でわかりやすい論文になります。公募の申請も同じで、私が当初書いたものは冗長な文書が多かったですが、URAから指摘を受けることで申請書の内容が整理され、大変読みやすくなりました。これまでは、同じ内容で3年程度チャレンジして徐々に申請書を改善することで採択されるまで頑張るということを続けてきましたが、今回1年目で採択されたのは、URAによる支援のおかげだと考えています。
 URAは、これまでに自ら研究に携わるなど多くの経験を積んでいるうえ、申請書を数多く見ているので、第三者の目として内容をチェックする効果は絶大です。たくさんの申請書を見て、さらに目を肥やしてもらいたいですし、新潟大学は総合大学で、研究分野も多岐にわたりますので、平井さんなら園芸学・植物病理学、飯島さんなら環境微生物学といった自分の専門分野を軸として守備範囲を広げていってほしいと思います。また、URAから、そもそも、どうしてなど根本的な質問を受けながら、直接面会して打ち合わせできたことが、今回大変参考になりました。そういった支援を今後も大切にしてもらいたいですね。

平井・
飯島
申請書をもとにディスカッションすることで、勉強させていただいていると考えています。本日はお忙しいところ、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

岡崎先生写真
ユリの栽培を行っている温室の前で

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