新潟大学 研究企画室 –URA–

Vol.5 森口 喜成 准教授

Vol.5 2016年 8月31日 森口 喜成 准教授 大学院自然科学研究科

moriguchi_01 農林水産省の平成28年度「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(以下、農食研究事業とします)」の「発展融合ステージ(産学機関結集型)」への申請支援をURAが担当した、大学院自然科学研究科の森口喜成(もりぐちよしなり)准教授にお話を伺いました。

森口 喜成 先生の研究テーマ

森口先生は、DNA解析技術を駆使して、遺伝的に優れた造林用種子の効率的な生産や、無花粉スギの判定・普及にかかる年月の大幅な短縮に向けた研究に取り組んでいます。このたび農食研究事業において、「無花粉スギの普及拡大に向けたDNAマーカー育種技術と効率的な苗木生産技術の開発」という課題で、研究代表者として採択されました。
 → 森口先生 HP


農食研究事業について

阿部この度は農食研究事業への採択、おめでとうございます!
我が国のスギ花粉症による経済損失は、1シーズンに約6000億円にのぼるとの試算もあり、その解決が急がれますが、森口先生は林業の面からスギ花粉症の根本的な解決を目指していらっしゃいますね。

森口先生現在、国民の4人に1人がスギ花粉症と言われています。この花粉症への林業面からの対策の一つに花粉を飛散させない「無花粉スギ」の普及があります。無花粉スギの普及はすでにいくつかの県で開始されていますが、無花粉スギの育種母材が少ないこと、選抜に多大な時間と労力を要すること、苗木生産効率が悪いこと等が普及拡大に向けてのボトルネックとなっています。本研究課題の目的は、「無花粉スギの育種母材をDNAマーカーで早期に作出する技術」と「無花粉スギ苗の大量生産システム」を構築することです。

阿部無花粉スギ苗が迅速かつ大量に生産できるようになれば、スギ林の無花粉スギへの転換によって、国民のスギ花粉症の症状の緩和と経済損失の軽減、更に、地域林業の活性化につながりますね。また学術的にも、スギの雄性不稔(ゆうせいふねん)遺伝子の単離に向けた画期的な成果が期待されます。

進藤非常に波及効果の大きい研究課題ですね。ところで、森口先生は昨年度も農食研究事業に応募され、ヒアリング審査まで進まれましたが、惜しくも採択には至りませんでした。今年度の応募に昨年の経験をどのように活かされましたか?

森口先生昨年は「実用技術開発ステージ」で応募したのですが、面接では実用化のプロセス等に関する厳しい質問が相次ぎ、研究の組み立て方とステージが合っていないと感じました。そこで、今年はステージを一つ上流に上げて「発展融合ステージ」で応募しました。また、研究体制も見直しました。

阿部申請書の内容や書き方で、心がけたことはありますか?

森口先生農水省の予算ですので、農林水産研究基本計画の重点目標と合致した内容であることを強調するようにしました。また、これまでの基礎研究で十分な業績やデータの蓄積があることも主張しました。あとは、分野外の審査員の方にも分かりやすい申請書となるように心がけました。

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URAの支援について

阿部URA(進藤、阿部)は、申請書や面接用スライドのブラッシュアップをさせて頂きましたが、先生の目指すところと同じく、分野外の審査員にも内容が伝わりやすいかどうかを念頭に置いて取り組みました。

森口先生URAのような分野外の方に見てもらえるというのは良い点でした。無意識に使用している専門用語などに気がつくことができました。また、面接用のスライド作成では特にお世話になりました。自分ではすでに作ってあるものを使用することが多かったのですが、そうではない分かりやすいデザインのスライドを提案していただいたり、効果的なフリー写真を教えていただいたりして助かりました。学会発表と違って、短い時間で言うべきことが多いので、一目見て何を言いたいかが分かるようにすることが重要だと感じました。 URAは研究経験のある方が多いようですね。

阿部はい、様々な分野のURAがいます。案件ごとの専門領域とぴったりと合わせることは、残念ながら難しいのですが、なるべく近い分野のURAと、分野外の視点から支援できるURAを組み合わせて、チーム力を発揮できるように心がけています。今回のご支援では、生物学(神経科学)分野出身の阿部と、工学分野出身の進藤でチームを組みました。私の場合は、学部生時代に学んだ植物や遺伝学の知識を頼りに専門性にも配慮しつつ、分野外からの視点も持ってブラッシュアップさせて頂きました。

森口先生URAの支援と言えば、先日の科研費セミナー(2016年8月4日開催「科研費夏の陣」)は大変参考になりました。制度変更について自分で調べるのは大変ですが、ポイントがわかりましたし、申請書を書くコツなどを経験豊かな研究者の方から学べたのは今後に役立つと思います。

阿部ありがとうございます。今後も今回のような個別の申請支援と、科研費セミナーのような全体に対する支援を充実させていきたいと思います。


若手研究者へのアドバイス

進藤最後に、今回は、森口先生ご自身が若手研究者ではありますが、大型外部資金獲得を目指す、他の若手研究者へのアドバイスをいただけますか?

森口先生私も経験が浅いので、参考になるかどうかわかりませんが、まずは論文や外部資金獲得などの実績を積み重ねること。それから強力な共同研究者に参画していただくこと。細かい点では、研究の内容や体制に合ったステージ選択や、ステージの応募要領に沿ったメンバー構成にすることも重要だと思います。

進藤・
阿部
貴重なアドバイスをありがとうございます。若手研究者支援に役立てます。今後とも、よろしくお願いいたします。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

森口先生写真

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